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思っていたのと
違った

思っていたのと 違ったSeptember 12, 2023

人生の選択

実体験としてあったことを書いてみよう。昔、会社を辞めてしまおうと決めたとき、辞める前と辞めた後の印象についての話だ。

大学院を卒業して最初に入った会社は、たった3ヶ月で辞めた。ちょっと不穏な空気が流れていると自分は察知し、辞めたほうがいいと思って次の働き方を模索した。色んな人に相談した結果、フリーランス半分、通わせてもらうところ半分みたいな感じで、ハイブリッドな生活が見えた。毎日とにかく会社に通うのとは違う、自由度のある生活。これは夢のような生活で、楽しみだった。

が、実際その生活が始まってみると、それは「ただの日常」になる。朝はやっぱりだるいし、寝不足すると眠いし、満員電車はつらい。

遠足の前の日と当日

この現象は、小学校とかのころから感じてたあれだ。遠足の前の日は「明日遠足かー」と楽しみになって寝ていた気がする。でも当日はなんとなく普通に「遠足の日」であって授業がないということでラッキー感はあれど、結局のところ集団行動の枠がある。「思ってたよりも普通だな」っていう感想だった。

あのときの喜びをもう一回

昔、MONGOOSE STUDIOで初めて展示をしたとき、超楽しかった記憶がある。作ったものを展示してると、多くの人が「面白いものを見る目」で作品を見ていて、色んな人に声をかけられる。嬉しい瞬間だ。

その後、MONGOOSE STUDIOでいろんな物を作ったが、最初の展示のときの興奮を超えることはなかった。作品としては後期に作ったもののほうが秀逸だし評価も高いと思うが、「展示をする」という経験としては似たような経験を何度もしてるので、初期の頃のような感覚にはどうしてもならない。

ビリヤード上級の辛さ

ビリヤードはA級B級C級みたいなランクがある。上達していくとB級にあがりいずれA級になった。が、A級になると日頃から対戦する相手もA級ということが多くなる。いや、B級のときもA級に挑んでたので、特にかわらないっちゃかわらないけど、気持ちがぜんぜん違う。A級になった後B級という格下と対決する場合、「勝って当たり前」という状況で対戦することになる。負ける訳にはいかない。A級どうしで対戦すると、ミスが致命的になるので、ミスしない戦い方を学ぶことになる。攻めるのか守るのか、コンセプトをしっかり持って選択しないといけない。常に攻めていくような前のめりなスタイルでは勝ちきれないときが増える。

そうなってくると「あー、B級の頃のほうが楽しかったな」とか思う。

いや、これは嘘で、B級に戻りたいなんて一ミリも思ってないんだけど「能天気にやれてたあの頃って良かったな」って言ってみたくて言ってるだけだ。B級に戻りたいわけではない。まず、戻れないし。戻っても面白くないと思う。

何が言いたいのか

修練することへの嘆きのような文章を書いてしまった感じになってるが、そうじゃない。自分と同じような感覚を持ってる人がいるかも知れないけど、それはそういうもんだよって言うことを言いたい。

なんでも熟練していくとこういう感覚が待ってると思う。成長曲線みたいなのと同じようなもので、上達の速度が高いころのほうがドライブ感があって楽しいってのはあると思う。でも上に登っていくと下ることはできない。それこそ下がってしまったら面白くない状態になる。

進むしかない

つまりだ。言いたいのはこれじゃないかな。なんでも熟練していたり精度を高めていくのは大事なことで、崇高なことだと思う。目指すべきだしやるべきだと思う。でも、楽しいだけの感覚でそっちの方にいくのはできない。もっと覚悟をもって取り組むというか、真摯に取り組む必要がある。

人生の選択も同じで、つぎのフェーズに進んでいくので、変化の時点の楽しさみたいなものは一瞬で過ぎ去っていく。日常を積み重ねていくしかない。

ドライブ感を味わいたいなら、次へ次へとフェーズを進めていく以外にないのだろう。